今まで数百件分の登記事項証明書を見て来たが、「抵当権の債権質入れ」を見たのはこれが初めてかもしれない。
順位1番で抵当権が設定されている。債務者はAさんで個人の方。債権者はBで、とある森林組合。付記1号で問題の「1番抵当権の債権質入れ」の登記がされていて、債務者がBの森林組合で、質権者が金融機関。同日に連番でこれら登記が受付されている。
債権に質権を設定する「債権質」とか、宅建士受験向けの解説サイトなんかでも説明されているが、こんなの勉強した記憶がない。
まあ、イメージとしては質権者Cである金融機関が、債務者Bの森林組合から弁済を受けられない時に、AB間の抵当権に基づき、回収することなんだろうとは想像がつく。しかし、この際に、Cが「Aに直接取り立てが出来るのか?」それともいきなり「抵当権の実行に向かうのか?」は、ちょっと調べた感じではわからなかった。直接取り立てに向かって、それでも返して貰えない場合は抵当権の実行だろうか。
そう考えると、間のBの意味が分からない。AB間の取引があって、その数年後にBの資金繰りからCに借入すべく質入れしたって流れなら理解出来るけど、同日に連番で受付だから、最初から質入れが前提だったはず。まあ、サラ金とか銀行さんでなくて、森林組合と政府系金融機関だから、何かしらあるのでしょう・・・
この登記簿上の抵当権と債権質は40年以上前に登記されていて、債務者Aは既に亡くなっている。Bはそのまま存在、Cは組織変更して存在している状況。債権額もそこまで大きくないので、もう返済も終わっているはずなのだが、面倒だから登記簿上から消していないだけか。
こういうのって気が付いた時に整理しとかないと、休眠担保権みたいに、後々抹消するのが面倒そう。
行政書士試験や宅建士試験などで民法は勉強してきたが、これら債権質なんか記憶から綺麗に抜けてしまっている。そもそもレアな登記、レアな事例だっていい訳させてください。
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