【修正版】不動産登記用価格通知書の取り方と評価証明書との関係性

書類 不動産登記

どういう訳かここ数年間の間に価格通知書を取り巻く環境が変わったようです。今まで簡単に取得出来ていたのですが、そうもいかない場合も出てきました。

そこで、以前も価格通知書の取得方法をご紹介しましたが、今回改めて【修正版】としてご紹介します。

以前の取得方とその問題点

誰でも取得可能

以前は、①まず、価格通知書を取得したい不動産を管轄する法務局に行って、「地方税法第422条の3の規定による価格通知書交付依頼書(交付申請書)」を貰って来ます。

こちらは登記申請用窓口行けば、誰でも貰う事が出来ます。

②次に、この法務局で貰った「地方税法第422条の3の規定による価格通知書交付依頼書(交付申請書)」を持って、市町村役場の固定資産税担当、通常は税務課とかだと思いますが、そちらの窓口に行って、誰でも無料で価格通知書が貰えます。

問題点

法務局から「誰でも取得出来る」依頼書を貰って、市町村役場にて「誰でも取得出来る」価格通知書が交付されます。

価格通知書で把握出来る固定資産税評価額ですが、固定資産税評価証明書でも知る事が出来ます。こちらは不動産の所有者本人しか取得出来ませんし、第三者が取得しようとすると、委任状が必要になります。

価格通知書と評価証明書とで、書かれている内容はほぼ一緒なのに、片方は自由に取得出来て、片方は第三者が取得出来ないと言った、変な構造をしていました。

厳密には、依頼書は不動産登記申請に使用する名目で法務局から貰えるものなのですが、別にそれを確認する仕組みもないですからね。

以上が、以前の取得方と問題点です。この問題点については、ずっと不思議に思っていました。

最近の取扱い(取得方法)

いつものように、法務局から価格通知書交付依頼書を貰い、それを持って市町村役場に行き、価格通知書を貰いに行くと、「不動産の所有者とどのような関係ですか?」みたいな事を聞かれるようになりました。

「不動産の買主で、不動産登記申請のために欲しい」と説明すると、今度は、「その不動産の売買契約書を見せて下さい」と言われます。今までは、そんな事も確認されず、すぐに発行して貰えたと説明しても、渋って発行してもらえません。こちらも仕事で来ているので、手ぶらで帰るわけにもいかず、「次からは持ってくるから!」と強引にお願いして発行して貰える場合もありますが、無理そうならば出直します。

なんか納得出来ませんね。価格通知書を取りたい時が、売買契約後だけってのがおかしいじゃないですか。

前もって不動産登記申請用紙を準備しといて、契約後すぐに登記申請提出したい場合もあるし、売買の時に、固定資産税の清算をする時にも評価額が知りたいはずです。

まあ、でもこれで以前から感じていた、評価証明書と価格通知書の取扱いに関するねじれと言うか、構造の不備が是正されたと言う感じでしょうか。実務的には面倒になりましたが。

価格通知書と評価証明書の住み分け

第三者が評価証明書を取得しようとすると委任状等が必要ですし、価格通知書を取得しようとすると、売買した事を証明する、つまり新しい所有者だと証明するために売買契約書の写しを求められるようになりました。

試した事はないですが、恐らく売買契約書の写しを持って行けば、委任状無くても評価証明書も取得出来たりするかもしれませんね。

「不動産購入したから登記申請したいので、そのために評価証明書欲しいのです。価格通知書だと、わざわざ法務局に用紙取りに行くの面倒で~手数料払うから評価証明書貰えませんか?」

って訴えれば、いける気もします。

こうなって来ると、価格通知書と評価証明書の違いなんて手数料だけみたいな気がします。法務局に行く手間は増えるけど、無料で貰える価格通知書と、手数料(だいたい200円)払えば、法務局に行く必要のない評価証明書のくくりになります。

最近の実務

売主にお願いしてしまう

99%買主になる私の場合ですが、不動産売買が決まると、売主さんに「印鑑証明書」、「住民票」、「評価証明書」を用意しといてくださいとお願いします。

もう価格通知書を取得する事すらしません。どうせと言ったら失礼ですが、売主さんは印鑑証明書を取得しに市町村役場行くので、その時に一緒に評価証明書を取得して貰います。

不動産買取の依頼があった時に、固定資産税課税明細書(=五月頃に納税義務者に送られてくる書類)の写しを貰っているので、実際のところは評価額も把握していますし、仮に無くても、おおまかな固定資産税評価額は予想出来ます。なので、あくまで法務局に提出する添付書類として評価証明書を売主さんから頂きます。

遠方に住んでいるとお願い出来ない

通常、売主さんに評価証明書取得して貰うのですが、この評価証明書は不動産が存在する市町村役場でしか取得出来ません。

例えば、秋田県内の不動産を売りたいと思っている方の現住所が東京都の場合でも、評価証明書は秋田県内のその不動産がある市町村役場でしか取得出来ません。こうなると、印鑑証明書は現住所の東京都で取得出来ますが、評価証明書は東京都で取得出来ないので、さすがに「評価証明書取得しといてください」とはお願いしません。

その場合は大人しく法務局行って交付依頼書貰って、市町村役場で価格通知書を取得するか、もしくは評価証明書を取得するための委任状を貰って、評価証明書を取得します。法務局と市町村役場が離れている場合には、委任状貰って評価証明書を郵送申請するのが多いですかね。

通常は、例えば大仙市にお住まいの方が大仙市の不動産を売りたいとか、由利本荘市にお住まいの方が、由利本荘市の不動産を売りたいとか、現住所と売りたい不動産が同じ市町村の場合が多いので、「印鑑証明書」、「住民票」、「評価証明書」の3点セットの取得をお願いしてしまいます。でも、最近多く聞くのは、本人は仙台や関東圏に住んでいて、相続で入手した秋田県内の不動産を売却したいと言った依頼です。その場合は価格通知書か、評価証明書の委任状で対応しています。

※交付依頼書でもって、価格通知書を郵送申請する事も可能だと思います。そうすれば手数料かからずに価格通知書取得出来るでしょうが、売買契約書の写し添付したり、または委任状用意したりと、評価証明書と同じ手間だし、交付依頼書は手書きで不動産の所在等記入しないといけないので、それらが面倒で評価証明書を請求してしまいます。

価格通知書と評価証明書の両方必要な場合

今まで、価格通知書か評価証明書のどちらかあれば問題ないような感じで進めてきましたが、実は、価格通知書と評価証明書の両方が必要になる場合があるので、ついでにそちらもご紹介します。

非課税の土地

個人が所有する不動産では、その全てに固定資産税が課税されているわけではありません。例えば、地目が「公衆用道路」や、「井溝(セイコウと読みます)」、「墓地」や「保安林」などは、固定資産税が課税されていません。公共物の側面が強いからですかね。

「個人で道路持っているのか!?」と都会の方は思うかもしれませんが、地方では結構多いです。もちろん大きな幹線道路を所有している事はないでしょうが、田んぼ道などありますし、良く調べると、庭の一部が「公衆用道路」として登記されている場合も多々あります。

さて、これら非課税の土地ですが、固定資産税課税明細書には、そのまま「非課税」として評価額が記載されていません。評価額が記載されていないので、登記申請の際の登録免許税もタダかと思うと、そうではなく、近傍類似の土地の評価額を元に、算定します。

具体的には、近くの似たような土地の評価額を元に、1㎡あたりの金額を出して、この金額をこれら非課税の土地の面積に掛けて評価額を計算します。ちなみに、「1㎡あたりの金額」は市町村役場で計算して記入してくれます。

価格通知書に記入

さて、この「1㎡あたりの金額」は、価格通知書に市町村役場の職員が手書きで記入してくれます。評価証明書に記入して貰えないのかと言うと、ある市町村では「価格通知書と違い、評価証明書はシステムから出力されるので(簡単に言うと、パソコン使って印刷されるので)、そこに追記する事は出来ないのとの事です。」

評価証明書って、電子公印が押されていて(=印刷されていて)、一方、価格通知書は目の前で押印してもらいますからね。電子公印押された書類に追記は無理ってのも頷けます。※もちろん市町村によって異なります。

なので、非課税の土地が混ざる場合は、価格通知書を取得したり、また、筆数が多い場合なんかは、価格通知書に不動産の所在記入するのが面倒なので、評価証明書を請求して、非課税の不動産に関してだけ価格通知書を取得したりします。法務局には、評価証明書と価格通知書の二種類添付してしまって問題ないですからね。

まとめ

法務局に行く手間さえ我慢すれば、誰でも簡単に取得出来た価格通知書ですが、最近では売買契約書の写しを求められたりと、「誰でも」取得出来るわけではなくなりました。

しかし、正直なところ、各市町村によって対応が違う、さらには窓口の担当者によって扱いが異なるのが現状です。

価格通知書交付依頼書だけ持って行けば、簡単に発行してくれる市町村もある一方で、不動産登記用の委任状の写しまで欲しがる市町村もありました。評価証明書は、第三者が取れないってはっきりわかっているものなので、委任状無いと渡せませんとはっきりと断られますが、価格通知書になると、その扱いがはっきりと定められていないようなので、各市町村、各担当者によって扱いが異なるようです。

価格通知書と評価証明書を併用しなければいけない場合として、非課税の不動産については、評価証明書だけではダメで、価格通知書に記入して貰わないといけないとご紹介しましたが、レアケースだとは思いますが、評価証明書に平米あたりの単価を記入してくれる市町村もあります。もちろん、それを法務局に提出しても何ら問題もありません。

はっきりと取扱いが決まっているわけでもないので、もし初めての市町村で価格通知書を取得しようとする場合は、事前に市町村役場に問い合わせる事をお勧めします。

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