PR

ケース別登記名義人住所変更登記の要否と添付書類

不動産登記

登記簿上の住所・氏名を、現在の住所・氏名へと変更させる登記申請ですが、これらが異なっていても、登記名義人住所・氏名変更登記が不要になる場合があります。

住居表示実施

住居表示とは、「○○市○○町○○番地○○」だった物が、ある一定の法則により「○○市○○町(○丁目)○番○号」に変わる事です。元々は、土地の地番=住所で良かったのですが、土地の地番は分筆や合筆を経て移り変わります。そこで、新しく字(アザ)や道路、河川等で区切られた地域に新しく住所をふり直します。あまり地方では見かけませんね。

この住居表示が実施された場合、登記名義人住所変更登記が必要になります。自分で引っ越した訳でもないのに、自分で申請しないといけないのは、なんか納得出来ませんが・・・ただ、行政が勝手にやったことですから、登記手数料(登録免許税)はかかりません。

「住居表示実施証明書」を市町村役場で無料で発行して貰えますので、添付資料となります。

行政区画変更

行政区画変更とは、村が町、町が市へと格上げされたような場合です。市町村合併なんかで良くありますね。

名称や字(アザ)が変更になった場合は、登記名義人住所変更登記は不要です。しかし、名称と共に地番までも変わった場合は、必要です。地番まで変わってしまい、登記名義人住所変更登記が必要な場合でも、これも行政が勝手にやったことですから、登記手数料(登録免許税)はかかりません。

「行政区画変更証明書」や「町名地番変更証明書」が、市町村役場で無料で発行して貰えますので、添付資料となります。

住居表示実施でも行政区画変更でも、「不動産登記簿の住所を変更したいのだけど、なんか証明書あるの?」って市町村役場で聞けば、発行してもらえます。※発行された証明書によっては、別途住民票が必要になります。

引っ越した

引っ越した場合に、登記名義人住所変更登記が必要になるのは容易に想像出来るかと思います。しかし、引っ越した回数によって必要な添付書類が変わってきます。

引っ越しは一回だけ

登記簿上の住所がA市の方が、引っ越しを行いB市へ移住した場合、B市で住民票を取得すれば、この住民票一通だけが添付書類となります。なぜなら、住民票には直前の住所が記載されていますので、登記簿上の住所と現住所の繋がりが解るからです。

数回引っ越した

登記簿上の住所がA市の方が、B市へ引っ越し、さらにC市へ引っ越した場合、C市で住民票を取得しても、直前の住所としてB市の分しか記載されていません。登記簿上の住所から、現在の住所までの履歴を全て証明する必要があるので、このC市で取得した住民票は使えません。

引っ越しの履歴を全て証明するものとして、「戸籍の附表」があります。ただ、こちらの戸籍の附表は本籍地の市町村役場でしか取得出来ないので、現住所地と本籍地が遠方の方は、郵送での取得になりますね。これも、「不動産登記簿の住所変更したいから、A市から現住所地までの履歴がわかる証明書が欲しい」と伝えれば、発行してもらえます。

ちょっと前に経験したのですが、この住所変更の記録って役所でも五年しか保存していないらしく、住所の繋がりを証明して欲しいと頼んでも、証明書が発行されない時がありました。どう言ったケースで、どう言った事柄が五年で消えるのか詳しいことは知りませんが、その場合は「行政証明を発効できない事の通知」みたいな証明書を発行してくれて、ものは試しにとそれを添付して申請したら、無事に登記完了しました。

無事完了してしまったために、逆になぜ「行政証明を発効できない事の通知」だけで申請が受理されたか、そして一緒に添付した書類のおかげで受理されたか等、わからずじまいだったので、ちょっと複雑なら事前に法務局の登記相談なんかを利用すると良いかもしれませんね。

引っ越したけど住民票登録していない

登記簿上の住所がA市の方がB市へ引っ越したが、転入・転出届を提出していないために、住民票登録はA市のままの場合、所有権移転登記等の前提となる登記名義人住所変更登記は必要ありません要するに、登記簿上の住所と同じ印鑑証明書が取得出来れば、本人が実際にどこに住んでいようが関係ありませんからね。

なかなか引っ越して住民票を移動させない方も少ないでしょうが、若い方や、一時的に引っ越した方なんかは、わざわざ住民票移動させないかもしれませんね。

この場合、逆に注意するのは、売買契約書や登記申請書を、現在の住所で作ってしまわないようにすることですかね。

まとめ

住居表示と行政区画変更がちょっとわかりずらいですね。添付書類も、細々といろいろ書いていますが、結局は「登記簿上の住所と現住所のつながりが解るもの」です。引っ越し一回なら住民票だし、複数回なら戸籍の附表です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました