山林売買の際の境界についての妥協点

山林売買

土地の売買をする時は、その土地の境界をはっきりと確認・確定してから売買契約締結するのが普通ですが、広大な面積を持つ山林となると、現実的に不可能な場合があります。

山林の境界とは?

山林でも、国土調査が行われていて、正確な図面が作成されていれば、いざとなったら正確に境界を確認・確定することが出来ます。「いざとなったら」と付け加えたのは、それも現実的ではないからです。

国土調査の成果を元に、山林の境界を確定しようとした場合、プロの測量屋さんに依頼して、現地の測量等してもらい、新たに杭の埋設を行います。おそらく数百万の出費が必要になります・・・

樹種で特定する

正確な測量が費用的に困難な場合、その山林の樹種でおおまかな境界が確認出来ます。例えば、「こちらの土地には杉が植えられている、一方こちらは雑木林。」と言うように、生育している樹種が異なる山林がある場合、同じ一筆の土地上に異なる樹種を植えるのも不自然なので、その杉と雑木の境が境界であろうと推測します。

また、昔は境界杭の代わりに別の樹種を植えることもあったそうです。例えば、杉林なのに、不自然に松が植えられている場合、その松が境界線上に植えられたものと推測します。

林齢で判断する

樹種で特定できるくらいにはっきりと樹種が異なる場合は解りやすですが、あたり一面同じ樹種の場合も当然あります。その場合には、林齢を参考にします。林齢とは、その樹木の年齢です。

例えば、「こちらの土地の杉は植えられてから50年以上経ってそうなくらい太くて立派だ。でもこちらの杉は、まだ2~30年くらいの若い杉かな」なんて場合は、やはり同一の土地上で林齢が異なる場合も稀ですので、その林齢の異なるであろう杉の境を土地の境界と推定します。(複層林と言って、林齢の異なる樹種を植える場合もあります。)

山林の形状で特定する

我々が山林に向かう時は、等高線の入った地図を持参します。等高線を眺めていると、そこには「峰」や「尾根」、または「沢」等が見つかります。結構山林の境界ですと、これら地形の変化によって境界を定めているケースが多々あります。あまり小規模な山林だと役に立ちませんが、それなりに面積のある大きな山林となると、これら地形の変化はかなり参考になります。

手入れ状況で判断する

しっかり手入れされた山林を見たことがありますか?下刈りと言って、雑草等は綺麗に刈り払われ、さらに間伐されていれば適度に太陽に光が山林に降り注ぎ、とても気持ちが良いです。公園の林なんかをイメージすれば良いですね。

一方、全く手入れされていない山林となると、植えられている杉も枝が伸び放題だし、間伐もされていないので、山林の中はうす暗く、人間の背丈くらいまで雑草等が生い茂りまっすぐ歩くのも困難です。

もうお分かりの通り、手入れの状況を見て、土地の境界を推測します。土地の手入れする人だって、まさか自分の土地の半分だけ手入れするとか、逆にお隣さんの山林まで手入れするとは考えられないですからね。

数%は気にしない

私の会社は林業会社なので、お客さんからの依頼を受けて、お客さんの山林の樹木の伐採等を行います。そのため現地の山林に出向いて、契約面積を求めるために簡易測量行います。

一度、現場の方に同行させてもらったことがあり、その時に気になったので質問してみました。

「はっきりと境界もわからない山林でどこを境界とみなして測量するのか?境界上と思われる箇所に樹木がある場合、その樹木はどうするのか?」

その答えは、

「境界と思われる箇所の内側を測量すれば、謝って他の土地の樹木を切る事もない。樹木が境界上にあって測量出来ない時は、それらを迂回して測量する。数万㎡の山林を測量して、数メートル迂回したとして、どれだけの誤差が出ると思う?」

なるほどと思いましたね。都心部の土地ですと、数cmまたは数mm変わるだけで、かなり土地の価値が変わるので大問題ですが、山林ですとその程度で十分ですよね。ましてや、土地の売買ではなくて、立木伐採のための測量ですからね。

まとめ

山林を切り開いて、開発・造成しようとした場合なんかは、正確な測量が必要になりますが、山林を山林としての売買する場合ですと、境界なんてこんなものです。売主も買主も正確な境界がわからない事が前提で話が進むのが普通ですからね。広大な山林独特と言えば独特ですね。良くも悪くもこれが妥協点です。

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