不動産を処分したいと言うかたの相談を良く受けます。「子供に負動産を残したくない」って親御さんや、「親から相続したけど、どこにあるのかもわからない」って方、中には親の不動産を勝手に売却しようとしている方もいます。
そんな弊社に「成年後見人」からの問合せがありました。私も今まで、かなりの件数の不動産取引を経験してきましたが、初めてのケースです。売買契約書や、登記申請書の書き方に悩みながら対応したので、残しておきます。
成年後見人がからんだ登記申請書の書式なんか、なかなか調べても見つかりませんでしたしね。
並記するだけ
初めてのケースだったので、法務局へ登記相談も行きました。まあ、結果としては、本人(=成年被後見人)と、成年後見人を並記するだけでした。
例えば、甲野市郎さんが認知症で施設に入居中。この甲野市郎さんの成年後見人が乙野次郎さんの場合、
〇〇市〇〇一丁目〇〇
甲野 市郎
〇〇市〇〇一丁目〇〇
甲野市郎成年後見人 乙野 次郎
と記載します。甲野市郎さん所有不動産を売却するのであれば、義務者の欄に、上のように二名分並記するだけで、その他の書式そのものは変わりません。当事者(=義務者)欄が変わるだけです。
添付書類一枚追加
かんの良い方ならわかるでしょうが、この「成年後見人を証明するための書類」が、必要になるのだろうな~って考えると思います。
この、証明するための書類が「登記事項証明書」です。法務局のホームページにサンプルが載っています。
登記申請書には、この登記事項証明書を添付書面として追加します。
押印は後見人
登記原因証明情報や委任状、または売買契約書には、成年後見人が、成年後見人のハンコを押印します。上の場合だと、乙野次郎さんのハンコで、甲野市郎さんのものではありません。
売買による所有権移転登記に使う書類なら、乙野次郎さんの実印を押して貰って、添付する印鑑証明書も乙野次郎さんのものです。
まとめ
作成する書類の当事者欄に、成年“被”後見人と、成年後見人を並記して、その証明に、登記事項証明書を貰っておけば完璧ですね。
もっと頻繁にあってもよさそうなのですが、成年後見人との売買契約って今回が初めてでした。良い経験をさせて貰いました。
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