相変わらず山林の購入依頼を良く受けますが、所有者の登記簿上の住所が引越し等により、現在の住所と異なる場合が多々あります。
引越しで住所が変わり、その後さらに市町村合併により住所変更がなされた場合、登記名義人住所変更登記を申請したら、登録免許税が戻って来たと言う話を聞きました。
所有権登記名義人住所変更登記
売買による所有権移転登記の前提として、この所有者の登記簿上の住所へ現住所へ変更する「所有権登記名義人住所変更登記」の申請が必要になるのですが、もちろん買主側から申請する事も出来ないので、「安くやってくれるから~」と知り合いの司法書士を紹介します。すぐその後に山林の売買契約が待っているわけですから、一万円程度の司法書士代も喜んでみなさん支払ってくれます。
でも、ちょっと事務手続きに慣れているような方なら、自分で申請します。それほど難しい登記でもないし、また法務局のホームページで詳しい書き方案内していますからね。
今回の売主さんも、以前にも登記申請した事あるらしく、「簡単だから自分でやる」と、所有権登記名義人住所変更登記を自分で申請していました。
登録免許税が還付された
さて、自分で住所変更登記を申請したお客さんですが、無事登記が完了したので、売買進めましょうと連絡がありました。その時に、気になる事を呟いていました。
「あまり詳しくは聞かなかったけど、登録免許税が帰って来た。なんでだ?」
みたいな事を聞きました。
所有権登記名義人住所変更登記において、住所が変わる原因が、例えば市町村合併だとか、住居表示実施の場合だとそもそも登録免許税がかかりません。
私のイメージですが、「お役所が勝手に住所変更したのだから、これについてはお金取らない。でも、所有者の都合で引っ越し等をした場合は、お金取る」と考えています。
お客さんから話を聞いた感じだと、間違いなく引越しをして住所が変わっているとの事です。引越しして、その後市町村合併によって、また住所が変わったとの事で、登記原因の欄には、
平成〇〇年〇〇月〇〇日住所移転
平成〇〇年〇〇月〇〇日町名変更
みたいに、二行に渡って記入したそうです。
「還付されたなんて言ってるけど、何かの勘違いじゃないかなな~」なんてその時は思っていたのですが・・・
別の事で調べものをしていたら、偶然wikipediaでこんな記述を!
なお、住所移転の後に住居表示実施・町名変更・地番変更(以下住居表示実施等という)があった場合の住所変更登記については、登録免許税は課されない(1965年(昭和40年)10月11日民甲2915号回答参照)。一方、住居表示実施等の後に住所を移転した場合の住所変更登記や、住居表示実施等に基づく住所変更登記と氏名変更登記を申請する場合は、不動産1個につき1,000円が課される(登記研究452-116頁)。
「引っ越し」からの「住居表示実施等」の場合は、登録免許税は課されないと。
お客さんが還付されたって言ってたのは間違いでも勘違いでもなかったのですね。
基本は簡単な登記なんだけど、細かい規則含めると奥が深いのですね・・・司法書士試験が難しい訳だ・・・
コメント