PR

身分証明書や登記されていないことの証明書を委任状で取得する場合の注意点

宅建士実務

会社組織の変更や、役員の変更などがあると、宅建業者として、もろもろの手続きが必要になります。

宅地建物取引業者名簿登載事項変更届出

次の事項に変更があった場合、30日以内に届出が必要です。

  • 商号又は名称
  • 法人の代表者の就退任
  • 法人の役員の就退任
  • 主たる事務所の所在地の移転
  • 従たる事務所の新設、所在地の移転、名称の変更、廃止
  • 政令使用人の就退任(事務所間の異動を含む)
  • 専任の宅地建物取引士の就退任(事務所間の異動を含む)
  • 代表者、法人の役員、政令使用人又は専任の宅地建物取引士の氏名

役員の退任と就任

役員の退任と就任を届け出る事になったのですが、就任の場合には割と面倒な添付書類が必要になります。

身分証明書

運転免許証や保険証の写しの事ではないです。本籍地の市区町村役場で取得する公の証明書です。

登記されていないことの証明書

当ブログでも度々登場する証明書です。

上の記事では、自分が宅建士登録するために 登記されていないことの証明書を取得したのですが、今回は役員の証明書を委任状を用意して取得するので、ちょっと勝手が違います。

もちろん、これら二通だけではないのですが、その他の添付書類は法人の履歴事項全部証明書と、様式通りに作成する誓約書や略歴書くらいなので、やっぱり気を付けないといけないのは、この二種類かと。

委任状で取得

役員の変更を届け出るので、その役員の身分証明書登記されていないことの証明書が必要になるのですが、わざわざ役員にお願いして取ってきて貰うわけにもいかず(お願いすれば快く引き受けてくれる役員さん達ですが、誤った物を取得されても余計面倒なので・・・)、委任状を作成して、取得することにします。以下、委任状についての注意点です。

身分証明書の委任状

本籍地の市区町村役場に請求します。該当する市区町村役場のホームページに委任状や申請書が用意されている事が普通ですので、それらをダウンロードして使います。

委任状って、委任者(お願いする人、この場合は役員)と、受任者(我々従業員、実際に窓口に請求・受け取りに行く人)の二名を記入するのですが、委任者が自分の住所・指名と、受任者の住所・指名を記入します。委任状の様式によっては、「請求する事項(例えば身分証明書の請求と受領)」、「利用目的」、「提出先」等も記載するのですが、それら全て委任者が記入します。

イメージとしては、委任者が委任状全て(委任者・受任者の住所氏名と委任事項)を記入する感じ。

委任者の欄だけ住所・指名書いて貰って、後の残りはこちらで書いときますってのがダメ。もちろんワープロ作成、印刷して押印だけして貰うのもダメです。あくまで委任者本人が自書です。かなりめんどくさい・・・

また、身分証明書には住所ではなくて本籍地が記載されます。なので、委任状には住所しか書いてもらわないと思いますが、請求しに行った時に、本籍や筆頭者がわからないと請求出来ない場合があるので、委任状書いて貰うついでに、本籍等をしっかり聞いておく、または、委任状に書いて貰う等の工夫が必要です。

登記されていないことの証明書の委任状

登記されていないことの証明書は、秋田県内だと秋田市にある秋田地方法務局本局の戸籍課で取得出来ます。ちなみに郵送請求する場合は、東京法務局民事行政部後見登録課になります。

役員さんが秋田県外の方なのですが、県外の方の証明も秋田地方法務局で取得出来るのが不安になったので、電話で聞いたら、証明したい方の住所地がどこであろうと取得出来るとの事でした。知っていたのだけど、もしかしたらダメかもって不安もあったので、すっきり解決して良かった~って思っていたら、電話口のお姉さんが「委任状用意して貰って取得するのですね?」って。

どうやら委任状の様式が変わって、委任者の押印が必要無くなったようです。制度上は不要なのだが、本人が委任した事を証明するためにも、出来れば従来通り自書または記名押印のどちらかだとありがたいとの事でした。

「東京法務局からダウンロードした委任状は『印』のマークあるので、そのまま書いて貰って、ハンコ押して貰おうと思っています。」と伝えたところ、「それだとありがたいです。」と電話口で笑ってくれました。

委任者、受任者、委任事項等全てワープロ印刷で、認印押すだけで委任状としては問題ないようですが、「可能であれば」自書か記名押印をお願いしますとの事です。

身分証明書が自書を求めている事に対して、登記されていないことの証明書が記名押印で良いってのはなんかバランス悪い気がします。記名押印って言ったって、認印で良いのだから、ワープロ印刷して、100円ショップでハンコ買えば、それで他人の登記されていないことの証明書が取得出来てしまいますからね。

委任状については、身分証明書より緩い登記されていないことの証明書ですが、何を証明するのか、また本籍の記載が必要かどうかは、提出先によって異なるので、事前に確認しておく必要があります。

今回の役員の就任に関する宅地建物取引業者名簿登載事項変更届出では、「成年被後見人、被保佐人とする記録がない」事を証明して貰い、本籍の記載は必要ありません。(※以前の記事でも書きましたが、この本籍に関しては確認した方が良いかも。秋田県は本籍無くても問題ありませんでしたが、本来は必要なものかもしれません。県の担当者レベルで対応が違うかも)

おまけ 建築設計事務所と産廃業

私の会社は建築設計事務所登録しているので、そちらの担当者にも役員変更になったことを伝えて、宅建業みたいに変更の届出が必要なのか聞いたら、当然必要との事でした。でも、宅建業みたいに身分証明書登記されていないことの証明書などは必要なく、せいぜい法人の履歴事項全部証明書くらいだそうです。

産廃収集運搬の許可も取得していて、同様にそちらの担当者に聞いたところ、「住民票(本籍地記載)」と登記されていないことの証明書が必要との事でした。

やっぱり宅建業がいろいろ厳しい感じがします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました