約一か月間の自宅学習の後に、講習実施機関にてスクーリングを受けます。そして最後の最後に修了試験を受験します。
宅建士実務講習修了試験とは
通常、宅建士として都道府県に登録するためには、宅建業者で二年間の実務経験が必要とあります。この実務経験の代わりになるのが、登録実務講習で、二年分の経験の代わりに行うものですから、結構、内容の濃いものとなっています。
たった12時間程度の講習で二年分の経験ですから、その最後の〆に行われる修了試験の範囲も多岐にわたります。
この修了試験は、マーク式と記述式に分かれ、その対策方法・回答方法も全く違います。
マーク式(○×問題)
○×式ですので、問題一つにつき、問題文も一つです。
問題一つにつき、枝が4~5つあって、「間違っているものはどれか?」「正しいものはどれか?」みたいな試験ではないです。
問1 宅建業法上なんちゃらなんちゃら・・・・
みたいな問題が20問並んでいて、その記述が正しいかどうかを問われます。試験の難易度としてはかなり低めです。
試験範囲は、宅建業法や、都市計画法や、建築基準法などの規制関係、または、実務的な受付や広告の仕方、物件調査や現地調査、または取引当日の動き等、かなり広く設定されています。
どんな問題?
回答は全て、登録実務講習で使用するテキストの中にあります。しかも、テキストの内容をしっかり理解していないと、解けないと言ったような問題ではなく、テキストの一文を抜いたものがそのまま問題になってる感じです。
例えば・・・
テキストの中の記述で、文の最後が、「~しなければならない。」や「~するべきである。」と言った記述の、語尾を変えてくる問題です。
他には、純粋に言葉の意味の理解度を問う問題もあり、例えば、「AはBのことであり、CはDのことである。」みたいな問題で、この場合だとBとDの言葉を入れ替えたりします。
回答するためには
基本的には、常識的な問題が出題されますので、宅建士試験に合格した方なら、テキスト確認しなくても、すぐ正誤の判断は出来るかと思います。仮に正誤の判断に自信が持てない場合は、すぐにテキスト開いて、該当箇所を探せばいいのです。
記述式
売買契約書と、重要事項説明書を作成します。
正確には、売買契約書と重要事項説明書のところどころが抜けていて(書類が虫食い状態)、そこを穴埋めしていく問題形式です。
登録実務講習を受ける段階の方達なので、売買契約書や重要事項説明書に触れたことが無い方がほとんどだと思います。私も、重要事項説明書なんか扱った事もありませんでした。ただ、宅建士試験の知識として、「重要事項説明書って書類があるんだな~」くらいの認識です。
その程度の知識で十分です。心配いりません。
どんな問題?
記述式と言っても、何かを論ずるような物ではなく、資料を与えられて、そこから必要な部分を探し出して、それを売買契約書や重要事項説明書に転記するだけです。普段、不動産に携わっている方なら、きっとマーク式の試験より記述式の試験の方が、簡単かと思います。
回答するためには
記述式試験では、テキスト確認することは無いと思います。問題文に、登記簿謄本や、現地調査、さらには法令上の制限や、聞き取り調査した事が時系列で並んでいます。そこを確認して、問題文の該当箇所を埋めていきます。
確認するとしたら、この実務講習には、テキストと資料集以外に、実際にスクーリングで解いた、ワークブックも持ち込めますので、このワークブックを確認するくらいでしょう。
そもそもこのワークブックが、記述式試験そのものと言っても良いようなもので、実際の試験のように、売買契約書や、重要事項説明書を作成します。
ですから、実際にワークブック作成した時のことを思い出せば、試験で問われていることも、簡単にわかります。この辺りは、講師が繰り返し繰り返し説明しますので、そんなに心配することもないです。
記述式試験ならではの注意事項!!
記述式試験ですから、文字通り、自分で書いて回答欄を埋めます。綺麗な字の必要はありませんが、丁寧に読みやすいように書きます。
それから、繰り返しになりますが、資料の中から該当場所を探して、それを転記(=書き写す)だけです。すごく重要なので、繰り返します。
転記(=書き写す)だけです!!
ですから、自分の言葉を入れてはダメです。問題の資料部分に書かれていることを、そっくりそのまま書き写すだけです。同じことだからと、別の言葉使ったり、言い回しを自分なりに代えてもダメです。
普段、売買契約書や、重要事項説明書扱ってる方は、気を付けないと、逆に間違ってしまうかもしれませんね。
どこまで正確性を求められるのはわかりませんが、漢字は漢字、ひらがなはひらがなで書くと言ったように、徹底するのが基本です。
三丁目を3丁目と書くことで、不正解となるのかどうかははっきりしませんが、こういった場合も、資料に沿った書き方が間違いないです。
転記(=書き写す)だけです!!
繰り返しますよ!
転記(=書き写す)だけです!!
過去問はあるのか?
配布された問題冊子が、記述式試験の解答用紙も兼ねていますので、問題冊子は持ち帰りできません。
さらに、
「持ち込み可能のテキストに、問題を書き移すことは不正行為」
とガイダンス本にも説明されています。スクーリング受講中に、気になったことを、テキストにメモしたりすることは可能なのですが、試験問題を書き写すのはダメなんです。外部に漏らしたらいけないってことでしょうね。大手の宅建実務講習実施期間ですと、ひと月にあちこちで講習を行っていますから、問題が漏れるのは、さすがにまずいですよね。
過去問なんかいらない
資格試験のように過去問を繰り返し解くような必要は全くありません。講師がテキストにマークするべき所を指示してきますので、そこを漏らさずマークしとけば大丈夫です。
他の講習実施機関のことはわかりませんが、LECの場合ですと、テキストと同時に送られてくる、ガイダンス本(=受講手引き)の後半に、おまけ程度ですが、問題が載っています。
今、改めて見てみると、本試験問題そのものって感じがします(笑)どうしても不安なら、こういった問題を、テキスト確認しながら解いておくと、当日に慌てないかもしれません。
まとめ
試験と名前がつきますので、緊張・不安になるのもしかたありません。
実際私は、自宅学習をまともに行わず、スクーリングを受けたのですが、特に問題なく、講義についていけました。確かに、普段仕事で登記簿等を扱っていたのですが、宅建業者としての実務経験はゼロです。
朝5時に起きて、自宅のある秋田県から、仙台まで新幹線で移動して実務講習受けたのですが、さすがに行きの新幹線の中では緊張していました(笑)すこしはテキスト読んでおけば良かったかな~と、新幹線の中で後悔していたのを覚えています。
じゃあ、この移動中だけでもテキスト読めとお思いでしょうが、一泊の予定だったので、小さなバックの中には着替え等も入っていて、バックを開けたくなかったんです(笑)ただ寝過ごさないように、うとうとしながら仙台向かいました。
真面目にスクーリングを受けていれば、問題なく合格します!
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