最初に結論
「最小行政区画」とは「市区町村」の事。定款で本店所在地を「最小行政区画」まで定めている場合、総会決議は不要。
取締役決定書とは?
自分で作成した株主総会議事録なんかをたまに見直すのですが、おかしな箇所に気が付きました。
株主総会議事録の作成は、基本的に私の仕事なので、今まで作成した議事録を一覧化しています。「定時総会」、「臨時総会」とあり、議事録とは違いますが、「取締役決定書」が一緒に一覧化されています。
「取締役決定書」とは、簡単に言うと、取締役の過半数が賛成している事を証明する書類で、取締役会があれば「取締役会議事録」になるのでしょうが、うちの会社は、取締役会がないので、「決定書」として作成しています。(めったに作りません。だって基本的には臨時株主総会を開催するので。)
さて、めったに作成しない「取締役決定書」ですが、私の作成した文書で二通ありました。一つは、とある組合に参加するための決定書です。先方から欲しいと言われたので、形だけ作成したもので、うちの社内的には全く重要な文書でもなんでもありません。
もう一通は、「本店移転」と記載されていました。(「本店移転」?!いや、登記事項だし、こんな勝手に作った決定書なんかで良いのか?)何度も言いますが、私が自分で作成して、自分で登記申請しています。でも、数年前の事になると、忘れてしまうのです。
議事録不要
法務局のホームページに一般的な商業・法人登記の書式が説明と共に公開されています。
ずばり株式会社の本店移転についての書式があるので、記載例なんかを確認すると・・・
(注)定款に本店の所在地として最小行政区画までを規定している場合であって,その最小行政区画内において本店を移転するときには,株主総会の決議は必要なく,取締役会の決議(取締役会設置会社でない会社にあっては,取締役の過半数の一致)により移転することになりますので,株主総会議事録及び株主リストの添付を要しません。
と書いてあります。なるほど、だから「株主総会議事録」ではなく「取締役決定書」だったのか・・・
最小行政区画とは?
「最小行政区画」が「市区町村」の事だろうとはなんとなくわかっているのですが、一応調べてみました。
なんてことはない、やっぱり「最小行政区画」は「市区町村」で、会社の定款では、この最小行政区画まで定めれば良い事になっています。
と言うことで、我が社の定款上、本店所在地について最小行政区画まで定めていたので、本店移転をするためには株主総会の決議ではなく、取締役の決定で十分、そうすると登記申請の際の添付書類として、株主総会議事録も株主リストも不要で、取締役決定書のみ添付すると言うことまで思い出せました。
政令指定都市の「区」は?
そう言えば、政令指定都市は「市」の後に「区」が続きます。私がぱっと思い浮かぶのは「仙台市」です。仙台市青葉区とか、仙台市泉区とか「市」の後に「区」が続きますが、こう言った場合は、「市」までが最小行政区画となります。
一般的に「市区町村」の中の「区」って、東京都の特別区(23区)だけで、政令指定都市で言う「区」はただの住居表示で、東京都の特別区に対して、行政区と呼ばれるようです。
普段何気なく使用していますが、そもそも自分に馴染みが無いと、深く考えませんよね。
まとめ
何気なく過去に作成した書類を眺めていただけで、
①「最小行政区画」とは「市区町村」の事で、
②定款で「最小行政区画」まで定めておけば、株主総会は不要。
③登記申請にも議事録や株主リスト添付せず、決定書だけでOK。
④さらに、普通「市区町村」の中の「区」は東京都の23区だけ。
⑤ついでに、会社の定款には本店所在地を「最小行政区画」まで書いておけばOK
って事が確認出来ました。普段から商業・法人登記に携わっている方ならなんて事ないのでしょうが、我々は必要になったら必要な分だけ手続きするので、知識の断片化がおきてます(汗
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