前回の投稿で、契約書は一部作っても二部作っても、どちらでも良いんでない?って結論を出していたのですが、一部作る場合と、二部作る場合とで基準があるようなので、ご紹介します。(あくまで基準なので、やっぱり一部作るのも二部作るのも作成者次第みたいですけどね。)
双務契約(ソウムケイヤク)と片務契約(ヘンムケイヤク)
結論から言うと、双務契約の場合は二通契約書を二部作って、片務契約の場合に一部作ると言った基準です。
双務契約(ソウムケイヤク)とは?
契約当事者双方がそれぞれ相手方に対して義務を負う契約です。例えば、売買契約の場合、売り手は「商品を負う義務」を負い、買い手は「代金を支払う義務」を負っています。売買契約、交換契約、賃貸借契約などが双務契約となります。
片務契約(ヘンムケイヤク)とは?
双務契約に対して、片務契約は、契約当事者の一方だけが義務を負う契約で、贈与契約、消費貸借契約、使用貸借契約などが片務契約です。
消費貸借契約を考えた場合、貸す方は「貸す義務」を負って、借りる方は「返す義務」があるから、当事者双方の義務だから双務契約でないの?と疑問に思った方は鋭い!!
自分も不思議に思っていたのですが、「法律的に対価の意味を有する債務」を負担する場合が双務契約なんですって。消費貸借を考えた場合、貸す方と、借りる方の関係が、法律的に対価的な関係になっていないから、片務なんです。賃貸借だと、借りた方がお金を支払う義務を負うので、「法律的に対価的な関係」にあると言えるのでしょうね。
結局は一部?二部?
民法の典型契約に定められているような双務契約、片務契約の場合は、双務契約の場合は二部作って、片務契約の時は一部作ろうって考えても良いのでしょうが、やっぱり自分は契約書作る人間個人の問題な気がします。
私の場合、親子間の贈与契約なんかは一部作るのが基本ですが、これが同じ贈与契約でも、相手が他人ならやっぱり二部作りたいって気分です。双務契約の交換契約なんかも、物によっては契約書一部だけ作成でも良いかな~とも思うし。特に法律に「こうしなさい!」と定められている事でもないので、結局は契約書作成者のセンスだと思います。
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