建物賃貸借契約はやりたくない。借地借家法が厳しすぎないか?

宅建実務

前回、「建物賃貸借契約締結したら裁判沙汰になったので、今後は定期建物賃貸借契約にする」って記事書きました。

その記事内で争った建物の他にも会社所有の空いている物件がいくつかあって、入居者募集しているわけでもないのに、「空いているなら使わせてくれ」と相談に来る方がいます。

コロナの影響とかあって社会経済の状況が全体的に落ち込んでいて、特にお客さん商売とかは厳しいと思うのですが、今この時期にテナント借りて商売始めようと思う方もいるんですね。

建物賃貸借はもうこりごりで、正直やりたくないのですが、そこはサラリーマン、会社の方針に従うしかありません。ただ、今後建物賃貸借は全て定期建物賃貸借契約にする!これだけは譲れない!

定期建物賃貸借契約

って事で、定期建物賃貸借契約書を作成しています。一度作成してしまえば、その後はそれを編集していくのですが、たまに「あれ、どうだっけ?」と疑問に思う事もあります。その都度、定期建物賃貸借契約について調べているのですが、せっかくなので調べた事を残しておきます。

 (通常の)建物賃貸借定期建物賃貸借
賃借の目的居住用・事業用いずれも可能。居住用・事業用いずれも可能。
賃借の期間制限なし。1年未満の場合には、期間の定めがない建物賃貸借契約とみなされる。

(借地借家法29条1項 期間を一年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす。)
期間に制限なし。1年未満の契約も有効。
契約の成立口頭でも成立(諾成契約:当事者の合意の意思表示のみで契約成立する)。公正証書等の書面による契約、及び、契約書の他に、書面を交付しての説明が必要。公正証書“等”なので、公正証書である必要はない。

(借地借家法38条1項 期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。)

(借地借家法38条2項 前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。)

(借地借家法30条 この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。) 

(借地借家法29条1項 期間を一年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす。)。
更新可。正当事由がない限り更新拒絶不可。

(借地借家法28条 建物の賃貸人による第26条第1項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。)

(借地借家法26条第1項 建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の一年前から六月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする。)
不可。再契約により対応出来る。
賃料の増減額
可。

(借地借家法32条第1項 建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。)

可。

(借地借家法32条第1項 建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。)
期間満了前の通知通知しないと自動更新する場合有り。

(借地借家法26条1項 建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の一年前から六月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする。)。
通知しないと契約の終了を対抗できない場合あり。

(借地借家法38条4項 第一項の規定による建物の賃貸借において、期間が一年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の一年前から六月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から六月を経過した後は、この限りでない。)

(借地借家法38条1項 期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。)
解約・中途解約①期間の定めのない場合

賃貸人からの解約は、6か月前の申入れと正当事由がある場合に限り可。

(借地借家法27条第1項  建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から六月を経過することによって終了する。)

(借地借家法28条 建物の賃貸人による第26条第1項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。)



 賃借人からの解約は3ヶ月前の申し入れにより可。

(民法617条1項2号 当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合においては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。
一  土地の賃貸借 一年
二  建物の賃貸借 三箇月
三  動産及び貸席の賃貸借 一日)


②期間の定めのある場合

原則は中途解約が認められない。ただし、特約で設定する事も可能。賃貸人からの解約には正当事由が必要。
原則として途中解約出来ない。

ただし、賃借人は、①賃貸人とと賃借人が合意した場合、②特約で賃借人からの解約申し入れを認める場合、③居住用建物について、一定の要件を満たした場合は、途中解約できる。

賃貸人からの解約は、原則としてできない。お互い合意すれば可能。特約等定めておくことも賃借人に不利になると無効。(ただし、学説等では揺れているらしいし、最高裁判例もまだないらしい。)

(借地借家法38条第5項 第一項の規定による居住の用に供する建物の賃貸借(床面積(建物の一部分を賃貸借の目的とする場合にあっては、当該一部分の床面積)が二百平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から一月を経過することによって終了する。)

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